「フォルテッシモ」
背後から聞きなれた声が届いた。
振り向くと、日本の冬にはどこか似合わないオレンジかかった肌の少年が足早に、フォルテッシモに向かってくるところだった。
「っ」
「・・・・・・フォルテッシモの手は、温かいんですね」
フォルテッシモの口から出たのは、言葉になりきれなかった小さな音だけだった。
少年―――ピート・ビートが突然彼の手を突然握ったからだ。
「・・・・・・なんだ、藪から棒に」
不機嫌な声音でジロリ、と睨まれ、ビートは素早く手を離した。
相手が相手だけに、正直に話すことにした。回りくどく誤魔化そうとしたところで、事態が悪くなることは身をもって知っている。
「手が冷たいのか、温かいのか気になって」
「・・・・・・・」
ビートは「ええと」と、わずかに躊躇した後、根拠のない話なんですけど、と前置きした。
「手が冷たいと心が温かいって話を聞いたんで・・・・・・」
「逆を言うと、手が温かい奴は心が冷たいってわけか」
フォルテッシモが鼻を鳴らすと、ビートは眉根を寄せて「ええと」と再び口ごもった。
フォルテッシモの鼓動には別段怒りも何も感じなかったが、なんとなくいたたまれなくなってビートは視線を泳がせた。
「あながち、外れてない」
「え」
フォルテッシモはビートの手をそっと握る。
「お前の手は、とても 冷たい」
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ほのぼの?
私のイメージでは、フォルテッシモは手が冷たそうだなと思ってます。心が温かいかどうかはおいといて。
でも、子供体温的な感じで温かくてもそれはそれでかわいいと思いなおした。心が冷たい(略)。
ビートは能力上、冬でも素手を出してなきゃならないから冷たいのかも、とか書き終ってから考えてみたり。
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