「ほれ、ビート」
「・・・・・・・・・」
フォルテッシモは一口二口食べただけのクレープをビートに差し出してくる。
ビートは辟易しながらも黙って受け取った。いい加減、うんざりしてくるのは仕方ない。
事の発端を思い出そうとしてもビートにはわからない。
つい30分前まで新しい任務の話をしていたはずだ。それは間違いない。
情報収集に行く方向で話が纏まったと思ったら、今ビートの目の前に経っている男は突然に、
「クレープの食べ歩きをする」
と、言い出したのだ。脈絡もなくそう言った。
ただ、言葉を口にする一瞬前に僅かだが鼓動に変化が生じたので、何かが彼の琴線に触れたのは間違いない。それが何だったのかビートには未だにわからないが。
こうなってしまったことはもう既に諦めている。納得はしていないが仕方ない。
問題は、この薄紫の服を身に纏った彼の先輩が一口食べて気に入らなかったクレープをビートに回してくることだった。
しかもフォルテッシモは躊躇もなく片っ端からクレープを注文していくのである。
押し付けられた3つめのクレープを手に、ビートはうんざりした表情を隠せない。いくら彼が激甘だろうが激辛だろうがどんと来い、の味覚音痴だとしても。
「次は・・・そうだな、この黄な粉餅クリームを一つ」
中途半端な時間のためにそのクレープ屋に並んでいるのはビートとフォルテッシモだけで、次から次へと注文した品が間を置かずできあがるため、息つく暇もない。
もそもそと食べ進めるビートの横で、フォルテッシモは早速でき上がった黄な粉なんたらとかいうクレープをぱくついている。
「これはまぁまぁだな。・・・さて、この店で気になるのはあらかた食ったし」
ビートは最後の一口を無理やり詰め込むと、ほっと息を吐いた。
ようやく開放され・・・
「次の店に行くぞ」
・・・なかった。
結局その後3時間もクレープの店をはしごして、フォルテッシモが満足したのは彼自身は6つビートは11こ平らげた頃だった。
胃の不快感と吐き気を必死で抑えながらフォルテッシモの後ろをついて行くビートに、前方から明瞭な声が届いた。フォルテッシモは顎に手を添えながらうん、と一つ頷くと、
「やはりピーチコンボが一番美味い」
と、満足そうにのたまった。
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か、かわいそうなビートがすk(ry
何気に間接キスしてるけど二人とも欠片も気にしてない。
昨日やってたバラエティで「女の子はクレープが大好きなんですっ!」って連呼してた。男の子もクレープ好きなんだよ。というわけでクレープの話。クレープとフォルテッシモがセットで欲しい。誰かください(ムリ)。
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